マンションの消防設備点検は重要!
内容や罰則・不在時の対応方法を解説
結論から言うと、マンションの消防設備点検は分譲・賃貸を問わず消防法で義務づけられており、点検は年2回、消防署への報告は3年に1回です。
点検の義務を負うのは管理組合やオーナーなどの「管理者」で、居住者に法律上の点検義務はありません。
ただし、室内の感知器などは入らないと点検できないため、居住者の協力が欠かせません。
当日に不在になる場合は、案内に書かれた管理会社や管理組合の連絡先へ早めに相談しましょう。
火災から居住者の安全を守るために消防設備点検は欠かせません。
しかし点検の内容や対象となる設備、居住者としての協力体制などを詳しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、下記の内容を詳しく解説します。
- マンションにおける消防設備点検の重要性
- 具体的な点検内容や管理者に求められる義務
- 点検を怠った場合の罰則や費用相場、点検当日居住者が不在の場合の対処方法
あわせて、室内で確認される場所と事前の準備、不在中に室内へ入られることはあるのか、よくある質問も整理しました。
マンションの消防設備点検に関する知識を深めたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
執筆は的場 統也(株式会社テックビルケア)です。テックビルケアは大阪・東京の2拠点で40年以上、マンションやビルの消防設備点検を手がけています。
1. マンションの消防設備点検とは? — 消防法で定められた管理者の義務
マンションの消防設備点検は、消防法第17条の3の3にもとづき、管理者が設備を定期的に点検し、結果を消防署へ報告する制度です。
点検は「やったほうがよいもの」ではなく、法律上の義務です。
マンションの消防設備点検は、消防法に基づき建物内の消防設備が正常に稼働するかを定期的に確認するための点検です。
万一の火災発生時に、居住者の命や財産を守るために欠かせない重要なものです。
具体的には、非常ベルや消火器、スプリンクラーなどの消火設備が、いざというときに正常に作動するかを確認します。
点検は、消防設備士や消防点検資格者などの有資格者がおこない、消防署に報告しなければなりません。
消防設備点検が必要なマンション
消防用設備が設置されているマンションは、規模にかかわらず点検と報告が必要です。下の条件は「有資格者による点検が必要かどうか」の基準です。
延べ面積が小さいマンションでも、点検そのものが不要になるわけではありません。
有資格者による点検が必要な建物は以下のとおりです。
| No. | 有資格者による点検が必要な建物 |
|---|---|
| 1 | 延べ床面積1,000平方メートル以上の特定防火対象物※1 |
| 2 | 延べ床面積1,000平方メートル以上の非特定防火対象物※2で、消防長または消防署長が指定するもの |
| 3 | 特定一階段等防火対象物※3 |
| 4 | 全域放出方式の二酸化炭素消火設備が設置されている防火対象物 |
※1
特定防火対象物とは、不特定多数の人が出入りする建物、もしくは災害時などに避難が困難と予想される施設を指します。
具体的には、デパートやホテル、百貨店、病院、老人ホームなどの社会福祉施設が対象です。
※2
非特定防火対象物とは、特定防火対象物以外の建物のことで、基本的に決まった人しか出入りしない用途の建物です。
学校や工場、共同住宅などが該当します。
※3
特定一階段等防火対象物とは、避難する際に使用できる直通階段が1つしかなく、地階または3階以上に不特定多数の人が利用する特定用途部分がある防火対象物です。
簡単にいえば、「不特定多数の人が集まりやすい飲食店やホテルなどのフロアが地上から離れており、また避難するための階段が1つしかない」建物のことです。
マンションは共同住宅のため、2つ目の条件の延べ床面積1,000平方メートル以上の非特定防火対象物にあたる可能性があります。
延べ床面積1,000平方メートル未満のマンションであれば、自身でも点検ができることになっていますが、建物の安全性を確保するために重要であるため、有資格者による点検を強くおすすめします。
1階が店舗のマンションは要注意
1階に飲食店やクリニックなどが入っているマンションは「複合用途防火対象物」となり、扱いが変わります。
特定用途を含む建物は、消防署への報告が3年に1回ではなく1年に1回になることがあります。
自分のマンションがどの区分にあたるかは、所轄の消防署か点検業者に確認するのが確実です。
消防設備点検と報告はマンション管理者の義務
点検と報告の義務を負うのは、分譲なら管理組合(理事長)、賃貸ならオーナーや管理会社です。
「マンションの消防設備点検は必ず実施しなければいけないのか?」という声をよく耳にします。
マンションの消防設備点検は分譲・賃貸にかかわらず、安全を確保するために消防法により課せられた義務です。
ここでのマンションの管理者とは、分譲マンションの場合、一般的には管理組合の理事長、賃貸マンションの場合は建物の所有者もしくは管理会社を指します。
民間の業者や有資格者などに点検を依頼し、その結果を消防長または消防署長に報告しなければなりません。
| マンションの種類 | 点検・報告の義務を負う人 | 実際の手配 |
|---|---|---|
| 分譲マンション | 管理組合(理事長) | 管理会社が点検業者を手配することが多い |
| 賃貸マンション・アパート | 建物の所有者(オーナー) | オーナーまたは管理会社が点検業者を手配 |
| 居住者(区分所有者・入居者) | 法律上の点検・報告義務はない | 室内点検への協力が求められる |
点検・報告義務の全体像は消防点検(消防用設備等点検)と報告義務とは?法定点検の項目や罰則について解説で詳しく解説しています。
2. マンションの消防設備点検の内容と頻度 — 半年ごとの機器点検と年1回の総合点検
点検は6カ月に1回の機器点検と1年に1回の総合点検で、年2回おこないます。消防署への報告は3年に1回です。
「3年に1回」は報告の頻度で、点検の頻度ではない点に注意してください。
マンションの消防設備点検の内容や頻度に関するルールをみていきましょう。
具体的には次のとおりです。
- マンションで点検の対象となる設備
- 6カ月に1度の機器点検
- 1年に1度の総合点検
- マンションの消防設備点検を怠った場合の罰則
順に解説します。
マンションで点検の対象となる設備
マンションで主に点検するのは、消火器・自動火災報知設備(火災報知器)・避難はしごの3つです。
消防点検の対象となるのは「消火設備」「警報設備」「避難設備」「消防用水」「消火活動上必要な設備」の5種類があります。
そのうち、マンションに設置されている主な設備は、消火器や消火栓、スプリンクラーなどの「消火設備」、自動火災報知設備や非常ベルなどの「警報設備」、避難はしごや誘導灯などの「避難設備」です。
点検の種類には、回数や内容が異なる「機器点検」と「総合点検」の2種類があるので、それぞれ詳しく説明します。
「マンションの火災報知器点検」で確認するのは、建物全体で火災を知らせる自動火災報知設備です。
延べ面積500平方メートル以上の共同住宅には、原則として自動火災報知設備の設置が必要です。
小規模なアパートなどで自動火災報知設備がない場合は、各住戸の住宅用火災警報器が火災を知らせる役割を担います。
| 項目 | 自動火災報知設備(自火報) | 住宅用火災警報器(住警器) |
|---|---|---|
| 主な設置先 | 延べ500平方メートル以上のマンションなど | 自火報のない住宅・小規模アパートなど |
| 仕組み | 感知器が受信機に信号を送り、建物全体に警報を鳴らす | 警報器1台ごとに、その場で警報を鳴らす |
| 法定点検・消防署への報告 | 必要(年2回点検・3年に1回報告) | 不要 |
| 日常の手入れ | 点検業者が感知器の作動を確認 | 住む人が作動確認し、10年を目安に交換 |
インターホンに火災警報の機能が組み込まれているマンションでは、点検でインターホン親機の警報表示や音声も確認します。
なお、大雨のあとに火災報知器が誤作動する原因と対策は大雨で火災報知器が誤作動?原因と対処法・点検で防ぐポイントで紹介しています。
6カ月に1度の機器点検
機器点検は、設備の外観や簡単な操作で、壊れていないか・期限が切れていないかを確認する点検です。
機器点検は6カ月に1回以上実施しなければなりません。
消防設備が適正に設置されているか、設備自体の損傷や有効期限切れがないかなどを、外観からの目視や簡単な操作によりチェックします。
マンションの共用部分のチェックと設備によっては室内への立ち入りが必要です。
1年に1度の総合点検
総合点検は、設備を実際に作動させて、火災時に全体が正しく動くかを確かめる点検です。
総合点検は1年に1回以上おこなう点検で、実際に、全部もしくは一部の機器を稼働させて総合的に消防設備をチェックします。
実際に火災警報器を鳴らしたり、避難はしごを作動させたりするため、事前にマンション入居者への周知をしたうえで協力を依頼しなければなりません。
それぞれの住戸で点検が必要となる設備は主に以下の3種類です。
- 消火器
- 自動火災報知設備
- 避難はしご
消火器の設置場所の確認や損傷や腐食がないかのチェック、火災報知設備の設置場所や作動確認、避難はしごの腐食や破損がないかの確認、避難経路周辺に障害となるものが置かれていないかなどの点検です。
目安として1住戸あたり10分程度で終了します。
| 点検の種類 | 頻度 | 主な内容 | 室内への立ち入り |
|---|---|---|---|
| 機器点検 | 6カ月に1回以上 | 外観の目視・簡単な操作で損傷や期限切れを確認 | 設備によって必要 |
| 総合点検 | 1年に1回以上 | 設備を実際に作動させて総合的な機能を確認 | 必要(感知器・避難はしごなど) |
機器点検と総合点検の違いは消防設備点検|機器点検と総合点検の違い頻度・項目・罰則をプロが解説【2026年版】、点検が年2回必要な理由は消防設備点検の頻度は年何回?対象となる建物や消防署への届出について解説!で詳しく解説しています。
マンションの消防設備点検を怠った場合の罰則
点検・報告をしない、または虚偽の報告をすると、管理者に30万円以下の罰金または拘留が科される可能性があります。
罰則の対象は管理者で、居住者が罰せられるわけではありません。
法的に義務付けられている消防設備点検とその報告を怠った場合、その建物の管理者に対し罰則が科せられます。
| 管理状況 | 建物の管理者 |
|---|---|
| 建物の管理を誰にも委託していない場合 | 所有者 |
| 建物の管理を委託している場合 | 受託者(もしくは委託管理者) |
| 管理義務付きで占有している場合 | 占有者 |
罰則の内容は下記のとおりです。
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 消防設備の設置命令に違反した場合 | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 (消防法第41条) 法人は3,000万円以下の罰金(消防法第45条) |
| 消防設備の点検を報告しなかった、または虚偽の報告をした場合 | 30万円以下の罰金または拘留 (消防法第44条) 法人も同額の罰金 |
点検自体をおこなっていない場合や、回数がルール通りに実施されていない場合も点検報告義務違反に該当します。
2025年6月の刑法改正により、従来の「懲役」は「拘禁刑」に変わっています。
点検をしないと、実際にはどうなる?
多くの場合、いきなり罰金になるわけではありません。
まず消防署の立入検査で未実施・未報告を指摘され、改善を求められます。
それでも改善しないと警告や命令に進み、命令に従わなければ罰則の対象になります。
火災で被害が出た場合は、点検を怠っていたことが管理責任を問われる大きな材料になります。
罰則の実態と是正の進め方は消防設備点検を怠るとどうなる?罰則の実態と管理者が今すぐ取るべき是正対応で詳しく解説しています。
3. マンションの消防設備点検の費用相場 — 延べ面積で決まる目安
点検費用は延べ面積で決まり、1,000〜2,000平方メートルのマンションで4〜8万円(税抜)が目安です。
分譲マンションでは管理費から、賃貸マンションではオーナーが負担するのが一般的です。
消防設備点検の費用は、マンションの維持管理費用の一部として入居者から徴収することが一般的です。
ここではマンションの消防設備点検にかかる費用相場を紹介します。
マンションの規模や点検項目、依頼する会社などによって変動するためあくまでも目安として参考にしてください。
| 延べ床面積 | 費用 |
|---|---|
| 〜300平方メートル | 1〜2万円 |
| 300〜500平方メートル | 2〜4万円 |
| 500〜1,000平方メートル | 3〜6万円 |
| 1,000〜2,000平方メートル | 4〜8万円 |
| 2,000〜3,000平方メートル | 5〜10万円 |
| 3,000〜5,000平方メートル | 8〜18万円 |
| 5,000〜10,000平方メートル | 15〜30万円 |
| 10,000〜25,000平方メートル | 20〜50万円 |
| 25,000平方メートル以上 | 30万円~ |
| 交通費 | 距離 | 費用 |
|---|---|---|
| 交通費 | 50~70km | 1万円 |
| 70~100km | 2万円 |
※金額はいずれも税抜
参考までにテックビルケアの建物タイプ別の料金表は下記のとおりです。
テックビルケアの料金例(マンション)
3階建て12戸のマンション:3万円(税別)
建物の規模・設備・所在地に合わせて、無料でお見積りします。
マンションの場合は、3階建て12戸で3万円(税別)となっています。
見積もりを比べるときは、金額だけでなく「消防署への報告書の作成・提出が含まれているか」も確認しましょう。
見積書の見方は消防設備点検の見積書、どこを比較する?点検範囲・改修費・報告対応の見方、管理会社経由と直接依頼の違いは消防設備点検は直接依頼と管理会社経由、どちらが得?費用・対応範囲を比較してわかった選び方でまとめています。
4. 消防設備点検の流れ — 業者選びから消防署への報告まで
マンションの消防設備点検は「業者選び → 居住者への案内 → 点検 → 消防署への報告」の順に進みます。
居住者への案内は、点検日の1〜2週間前に掲示板や各戸への配布でおこなうのが一般的です。
消防設備点検の流れは下記のとおりです。
- 点検を依頼する会社を選ぶ
- 点検を実施する
- 消防長または消防署長への報告
順に解説します。
点検を依頼する会社を選ぶ
業者選びでは、経験・見積もりの分かりやすさ・緊急時の対応力の3点を確認します。
まずは、点検を依頼する会社を選びましょう。
点検会社を選ぶ際のポイントは以下の3点です。
- 経験が豊富な会社か
- 分かりやすい見積もりか
- 緊急時の対応に問題はないか
消防設備に対する専門的な資格や知識があることはもちろん、実際の火災事例への対応経験が豊富な会社を選びましょう。
また、見積もりが分かりやすいかどうかも重要です。
例えば見積もりを取る際に、内訳が「費用一式」と記載されている業者ではなく、具体的で分かりやすく明示されている業者を選びましょう。
費用の透明性が増すことで安心感を得られ、概略の予算が立てられます。
さらに、緊急時の対応力も重視しましょう。
火災報知機やスプリンクラーなどの警報装置が故障した場合や、消防署からの立ち入り検査時には迅速な対応が求められます。
これらの点を考慮して適切な消防設備点検業者を選定することで、マンションの安全性を確保でき、居住者の安心につながるでしょう。
点検を実施する
依頼する会社が決まり正式に依頼をしたら、決められた日時に、消防設備士もしくは消防設備点検資格者が実際に点検をおこないます。
この際、関係者は立ち合いが必要となる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
点検で不具合が見つかった場合は、報告前に改修することが望まれます。改修の進め方は消防点検で不備が見つかったら?改修工事が必要な理由と進め方を解説をご覧ください。
消防長または消防署長への報告
共同住宅であるマンションの報告は3年に1回で、点検の結果をまとめた報告書を所轄の消防署に提出します。
消防設備の点検が終わったら、消防長または消防署長へ点検結果の報告をします。
マンションなどの集合住宅の場合は、3年に1回報告が必要です。
消防設備の点検とあわせて、消防署への点検結果の報告をおこなってくれる業者に依頼すると安心です。
点検業者を選んで日程を決める
延べ面積・戸数・設備の内容をもとに見積もりを取り、点検日を決めます。
居住者へ点検日を案内する
1〜2週間前に掲示板や各戸への配布で、日時・所要時間・不在時の連絡先を知らせます。
共用部と各住戸を点検する
共用部の設備と、各住戸の感知器・避難はしごなどを確認します。1住戸10分程度です。
報告書を作成して消防署へ提出する
点検票と報告書をまとめ、3年に1回、所轄の消防署に提出します。
5. マンションの消防設備点検時の居住者の協力体制 — 立ち会い・拒否・不在時の対応
居住者に点検の義務はありませんが、管理規約で室内点検への協力が求められています。不在になる日は、案内の連絡先へ早めに相談しましょう。
点検の目的は、自分の住戸だけでなくマンション全体の安全を守ることです。
マンションの消防設備点検をおこなう場合、各住戸内に入り点検をおこなうため、それぞれの居住者の協力が必要です。
ここでは、消防設備点検における居住者の協力体制を解説します。
具体的には、次の4点です。
- 居住者が立ち会うのは6カ月に1回
- マンションの居住者に点検・報告の義務はない
- マンション室内の点検を拒否したらどうなるか
- 消防設備点検の当日に不在で立ち会えない場合の対処法
それぞれ説明します。
居住者が立ち会うのは6カ月に1回
室内の点検は6カ月に1回、1住戸10分程度です。
マンションの消防設備点検は、6カ月に1回以上の機器点検と1年に1回以上の総合点検が必要です。
マンションの共有部分だけでなく、各住戸内にある消火器や自動警報装置、またベランダに避難はしごが設置・格納されている場合などは各部屋内で点検をしなければなりません。
したがって、6カ月に1回は消防設備点検に立ち会う必要があります。
マンションの居住者に点検・報告の義務はない
所有者や管理を任されているマンションの「管理者」には消防法により、マンションの消防設備点検の義務がありますが、マンションの居住者に点検の義務はあるのでしょうか。
結論、居住者に点検や報告の義務はないため、室内の消防設備点検を仮に拒否しても罰則はありません。
ただし、消防法上の罰則がないことと、管理規約上の責任がないことは別の話です。次の項目で説明します。
マンション室内の点検を拒否したらどうなる?
消防法の罰則はありませんが、正当な理由なく拒否すると管理規約違反になり、火災時には損害賠償を求められるおそれがあります。
マンションの居住者個人が、他人を部屋内に入れたくないなどの理由から、点検当日の不在を理由に断ったり、在宅していても居留守を使ったりするケースは少なくありません。
しかし、マンションは1つの建物に複数の世帯が暮らす共同住宅であるため、安全な暮らしを保つためには、点検を断るのではなく立会い協力してもらうことが望まれます。
国土交通省は、マンション標準管理規約により、「マンションの管理者は、管理上必要な場合部屋へ立ち入って必要な調査をおこなうことができ、区分所有者はこれを拒否できない」と定めています。
つまり法的な罰則はなくとも、消防設備点検を拒否することは、マンションの管理規約違反に該当します。
また、点検を拒否することで、大きなリスクを負うことにもつながります。
点検をおこなわなかったために、火災報知器などが正常に稼働しなかったことが原因で火災を引き起こしたとします。
その結果、他の住戸の居住者に被害を及ぼした場合、賠償責任を問われる場合もあるのです。
室内の点検は10分ほどで完了するので、必ず点検に応じるようにしましょう。
マンション標準管理規約「必要箇所への立入り」のポイント
・管理者は、管理のために必要な範囲で、専有部分への立入りを請求できます。
・請求を受けた人は、正当な理由がなければ拒否してはならないとされています。
・正当な理由なく拒否した人は、その結果生じた損害を賠償しなければなりません。
参考:国土交通省「マンション管理」(マンション標準管理規約)(実際の内容は各マンションの管理規約で確認してください)
賃貸マンションの場合も、賃貸借契約で点検への協力が定められていることがほとんどです。
消防設備点検の当日に不在で立ち会えない場合の対処法
不在になるとわかった時点で、案内に書かれた管理会社や管理組合の連絡先に相談しましょう。
連絡をしないまま不在にすると、その住戸は「点検できなかった住戸」として記録されます。
点検に協力したくても一人暮らしや共働きなどで休暇が取りにくく、消防設備点検当日に立ち会えない場合はどうしたらよいのでしょうか。
消防設備点検は、予告なくいきなり実施されるわけではなく、居住者に前もって日程が告知されます。
そう頻繁にあることではないため、できれば予定をやりくりして立ち会うようにしましょう。
マンションによっては、当日どうしても不在の場合は後日点検を実施するケースもあります。
また、日程の変更はできなくても時間帯の希望を出せるなど柔軟に対応してもらえる場合が多いです。
皆が安心して生活を送るためにも、消防設備点検に協力しましょう。
| 不在時の対応方法 | 内容 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 管理会社・管理組合に相談する | 案内の連絡先に不在になることを伝え、対応方法を確認する | 点検日にどうしても都合がつかない人 |
| 時間帯を指定する | 同じ日のうち、在宅できる時間帯を伝えて合わせてもらう | 午前だけ・夕方だけなら在宅できる人 |
| 家族などに立ち会ってもらう | 同居の家族や、信頼できる人に代わりに立ち会ってもらう | 本人は不在でも家族が在宅する人 |
| 鍵を預けて入室してもらう | 管理会社の立会いなど、マンションのルールがある場合に限り利用する | ルールが整っていて、不在が続く人 |
連絡先は、掲示板やポストに入る「点検のお知らせ」に書かれています。
連絡をしないまま不在にすると、その住戸の設備は点検されないままになります。
点検当日に室内で確認する場所と準備しておくこと
室内では、天井の感知器、ベランダの避難はしご(避難ハッチ)、消火器などを確認します。感知器の下とベランダのハッチの上に物を置かないようにしておきましょう。
| 確認する場所 | 主な点検内容 | 事前の準備 |
|---|---|---|
| 居室・台所・廊下の天井 | 感知器に試験器を当てて作動を確認 | 感知器の真下の大きな家具や荷物を少し動かしておく |
| ベランダ(避難ハッチのある住戸) | ハッチが開くか、はしごが降りるかを確認 | ハッチの上の植木鉢・物置・洗濯物を片づける |
| インターホン(火災警報機能付きの物件) | 警報表示や音声が正常に出るかを確認 | 特になし |
| 住戸内の消火器(設置がある物件) | 設置場所・腐食・圧力計を確認 | 見える場所に置いておく |
浴室やトイレには、感知器が設置されていないことが一般的です。
点検員が見るのは設備の周りだけなので、部屋を特別に片づける必要はありません。
点検の当日に起こりやすい疑問は消防点検は全室に入るの?ベルは鳴らないの?現場でよくある疑問にプロが答えますでも紹介しています。
不在中に勝手に入られる?鍵や防犯が不安なときの考え方
通常の消防設備点検で、居住者の承諾なく不在中の室内に入ることはありません。
管理規約で無断の立入りが認められているのは、火災や漏水などで緊急に対応が必要な場合に限られます。
防犯面が不安な方は、次の点を確認すると安心です。
- 訪問した会社名が、事前の「点検のお知らせ」の会社名と一致しているか
- 作業服や身分証で、点検業者の社員であることを確認できるか
- 点検中はできるだけ在宅し、立ち会うようにする
予告なしの訪問や消火器の販売には注意
マンションの消防設備点検は、必ず事前に日程が案内されます。
案内がないのに「消防署の方から来ました」などと言って消火器の購入や点検料を求める訪問は、悪質な訪問販売の可能性があります。
消防署の職員が消火器を販売することはありません。不審に思ったら、管理会社や管理組合に確認してください。
6. 安心・安全ともしもに備えるために消防設備点検は必要! — まとめ
マンションの消防設備点検は、居住者の命と財産を守るために重要です。
適切に実施することで、火災時の被害を最小限に抑え、安心して暮らせる環境を維持できます。
点検は法律で義務化されており、これを怠れば罰則を受けるだけでなく、住民の安全を脅かすことにもなりかねません。
管理者と居住者が協力し合い、定期的な点検と確実な報告の実施が、災害に強いマンションづくりの第一歩です。
適切な消防設備点検をおこない、安心・安全を手に入れ、もしものときに備えましょう。
この記事のポイント
・マンションの消防設備点検は、分譲・賃貸を問わず消防法で義務づけられています。
・点検は年2回(6カ月ごとの機器点検+1年ごとの総合点検)、消防署への報告は3年に1回です。
・点検・報告の義務を負うのは管理者(管理組合・オーナー)で、居住者に罰則はありません。
・ただし室内点検の拒否は管理規約違反となり、火災時に賠償を求められるおそれがあります。
・不在になる日は、案内に書かれた管理会社や管理組合の連絡先へ早めに相談しましょう。
7. よくある質問
Qマンションの消防点検は「3年に1回」ではないのですか?
A3年に1回なのは消防署への報告です。点検は6カ月ごとの機器点検と1年ごとの総合点検で、年2回おこないます。報告が3年に1回だからといって、点検も3年に1回でよいわけではありません。
Q点検の日に不在だとどうなりますか?罰則はありますか?
A居住者に罰則はありません。不在の住戸は「点検できなかった住戸」として記録されます。不在になるとわかった時点で、案内に書かれた管理会社や管理組合の連絡先へ相談してください。
Q不在のときに、点検業者が勝手に部屋へ入ることはありますか?
A通常の消防設備点検で、居住者の承諾なく室内に入ることはありません。鍵を預けて点検してもらう方法は、管理会社の立会いなど、マンションにルールがある場合に限られます。
Q室内の点検には何分かかり、どこを見られますか?
A1住戸あたり10分程度です。主に天井の感知器、ベランダの避難ハッチ(設置住戸のみ)、インターホンの火災警報機能(対応物件のみ)を確認します。浴室やトイレには感知器がないことが一般的です。
Q賃貸マンションでも点検に協力する必要がありますか?
Aはい。点検の義務はオーナー側にありますが、賃貸借契約で点検への協力が定められていることがほとんどです。費用はオーナーが負担するのが一般的で、入居者が点検費用を直接支払うことは通常ありません。
Q点検で居住者が費用を負担することはありますか?
A分譲マンションでは、点検費用は管理費から支払われます。住戸内の住宅用火災警報器や、自分で設置した消火器の交換など、専有部分の設備の費用は居住者負担になることがあります。
マンションの消防設備点検、報告書の提出までお任せください
年2回の点検、消防署への報告書の作成・提出まで、テックビルケアが一括で対応します。管理組合・オーナー・管理会社の方のご相談を歓迎します。大阪・東京の2拠点から対応します。
無料相談・お見積りはこちら