ドローンは都市部でも飛ばせる?包括申請で広がるビル点検の活用範囲

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ドローンは都市部でも飛ばせる?
包括申請で広がるビル点検の活用範囲

公開日:2026年4月24日 カテゴリ:ドローン外壁調査 読了時間:約8分

「都市部のビル外壁をドローンで調査したいが、そもそも飛ばしてよいのか」「許可があると聞いたが、毎回申請していては現場が回らない」。ビルオーナーやマンション管理組合の担当者から、テックビルケアにこうしたご相談が日々寄せられています。結論から言えば、都市部でも所定の手続きを踏めばドローンは合法的に飛ばせます。そして業務で継続的に活用するうえで鍵になるのが「包括申請」です。

この記事では、40年以上にわたり消防設備点検と外壁調査を手がけ、Matrice 350 RTKを含む複数機種で全国包括申請を取得して運用してきたテックビルケアの実務目線で、人口集中地区(DID)における飛行規制、個別申請と包括申請の違い、包括申請のメリットと使えないケース、取得の流れまでを整理して解説します。

1. ドローンは都市部で飛ばせるのか — DIDの規制

都市部の大半は、航空法上「人口集中地区(DID:Densely Inhabited District)」に指定されています。DIDとは、国勢調査で人口密度が1平方キロメートルあたり4,000人以上の地域が隣接し、その合計人口が5,000人以上となるエリアを指します。現在は令和2年国勢調査に基づいて指定されており、東京23区・大阪市・横浜市といった主要都市圏は、ほぼすべての範囲がDIDに含まれます。

DID上空では、重量100g以上のドローンは航空法で原則として飛行禁止です。落下時に第三者や車両へ重大な危害を及ぼす危険性が高いため、あらかじめ国土交通大臣の許可を得なければ飛ばすことができません。

つまり「都市部では飛ばせない」のではなく、正確には「手続きを踏まずに飛ばすことが禁止されている」というのが実態です。許可さえ取得できれば、東京23区や大阪市内のビル・マンション外壁調査も、ドローンで問題なく実施できます。

都市部のビル外壁から約10メートル離れてホバリングするMatrice350型の産業用ドローン
DIDに指定される都市部でも、許可取得済みの事業者であればビル外壁の調査飛行が可能。
POINT

屋内やネットで囲まれた空間は許可不要

DID内であっても、屋内や四方・上部をネット等で囲われた空間は「屋外」と見なされず、飛行許可は不要です。倉庫内点検やプラント設備内の調査飛行はこの特例に該当するケースが多くあります。

2. 個別申請と包括申請 — 業務利用ならどちらか

DID上空などの飛行許可は、大きく「個別申請」と「包括申請」の2種類に分かれます。違いを整理します。

項目 個別申請 包括申請
対象 業務・趣味のいずれも可 業務目的の飛行に限定
日時・場所 特定の日時・特定の経路を指定 期間・範囲を包括指定(全国包括も可)
有効期間 指定日のみ 最長1年間
申請タイミング 飛行の都度 事前に1回、以降は更新のみ
向いている用途 単発イベント撮影・試験飛行 外壁調査・インフラ点検・測量など反復業務

業務で外壁調査や赤外線調査を継続的に行う事業者にとって、「飛行範囲を指定して、最長1年間、範囲内であれば経路や日時を個別に届ける必要がない」包括申請は実質的な標準仕様です。テックビルケアも全国包括を取得したうえで、大阪・東京を拠点に全国の都市部案件に対応しています。

3. 包括申請の3つのメリット

包括申請を取得しておくことで、実務上は次の3つの恩恵があります。

1

申請コストの圧縮

1回ごとの手数料(900〜2,000円)と書類作成工数が、年1回の更新に集約される。年間数十件の案件を扱う場合、事務コストは数十万円規模で差がつく。

2

機動力の確保

悪天候や施主側の日程変更による延期でも、再申請は不要。個別申請は飛行日10開庁日前までに出す必要があり、再申請での10日待ちが発生しない。

3

実務負荷の軽減

飛行のたびに経路・日時を書類化する作業が省ける。外壁調査のように複数物件をまとめて処理する業務では、管理工数の圧縮効果が特に大きい。

4

施主への提案が早い

問い合わせを受けてから現地調査までの所要日数が短縮できる。マンション総会や改修工事の工程調整でも、ドローン調査を直前に組み込める。

都市部の現場で包括申請により飛行するドローンを操縦するテックビルケアのパイロットと補助者
補助者を配置した飛行形態も包括申請の対象。都心案件でも翌日対応が可能になる。

4. 包括申請で飛ばせる範囲と、対象外のケース

包括申請で取得できる代表的な飛行形態は、次のとおりです。ビル外壁調査ではこの多くをフル活用します。

  • DID(人口集中地区)上空の飛行
  • 夜間飛行(目視内)
  • 目視外飛行(補助者を配置)
  • 人・物件・車両から30m未満の距離での飛行
  • 最大離陸重量25kg以上の機体による飛行
  • 物件投下を伴わない飛行全般

包括申請の対象外となる飛行

一方、次の飛行は包括申請の対象外で、飛行ごとに個別申請が必要です。外壁調査でも該当する案件が稀に出てきます。

CAUTION

都度の個別申請が必要な飛行

・空港等周辺および地表から150m以上の上空

・イベント上空の飛行(祭・花火大会・スポーツ大会等、多数の人が集まる催し)

・夜間の目視外飛行

・補助者を配置しない目視外飛行(レベル3.5・4飛行)

・爆発物等の危険物輸送・物件投下

商業施設の屋上や空港近辺のビルなど、例外的な立地では個別申請との併用設計が必要です。事前調査の段階で飛行エリアの空域属性と建物高さを確認しておくことが、スムーズな調査実施の鍵になります。

5. 都市部のビル外壁調査で包括申請が生きる場面

都市部の外壁調査には、包括申請の恩恵が最も大きく出る場面が3つあります。

(1) 天候による延期対応

マンション管理組合から依頼されて12条点検(特定建築物定期調査)の外壁調査を実施する場合、当日の風速が8m/sを超えたり雨天となれば、その時点で延期です。個別申請だと再申請から最短でも10開庁日(約2週間)待つことになり、総会で承認された工程が崩れます。包括申請であれば、翌週でも翌月でも範囲内で再設定できます。

(2) 複数物件の連続調査

同じ管理会社が保有する複数ビルをまとめて調査するケースは都市部で特に多く、物件ごとに個別申請を出していては事務コストが実作業を上回ります。包括申請であれば、エリア内の複数棟を1日で巡回調査することも可能です。

(3) 30m未満・目視外の柔軟運用

都市部では建物・人・車両から30m以上の離隔が取れないケースが大半です。さらに隣接ビルの影になって視認性が落ちるため、補助者配置の目視外飛行を組み合わせる必要があります。これらはすべて包括申請に含めて運用できるため、案件ごとの書類手続きが発生しません。

当社の対応

東京23区・大阪市内の実績多数

テックビルケアは全国包括申請を取得済みで、Matrice 350 RTKに赤外線カメラを搭載した外壁調査体制を大阪本社・東京支社の2拠点で運用しています。都心立地のビル・マンションでも、問い合わせから最短1週間程度で現地調査の実施が可能です。

6. 包括申請取得の流れと更新の実務

包括申請は、国土交通省のオンラインシステム「DIPS2.0」から申請します。実務上は次のステップで進みます。

1

DIPS2.0のアカウント登録・機体登録

操縦者・機体情報を登録し、機体登録番号を取得。100g以上の機体はすべて機体登録が必須。

2

飛行マニュアル・操縦者技能の整備

航空局標準マニュアルを基に自社マニュアルを整備。操縦者には10時間以上の飛行経歴と操縦技能の証明が求められる。

3

飛行形態を選択して包括申請

「DID上空」「30m未満」「目視外(補助者あり)」「夜間」など、業務で必要な形態をすべて選択し、全国または地方局単位で包括申請する。

4

審査・許可書の交付

飛行開始予定日の10開庁日前までに申請を完了。不備対応が入ると審査期間が延びるため、初回は余裕を持って1か月前の着手が望ましい。

5

有効期限の更新(40〜10開庁日前)

有効期限の40〜10開庁日前に更新申請。飛行実績と安全運航の記録が継続して求められるため、日常の飛行ログ管理が欠かせない。

なお、2022年の航空法改正により、一等・二等の無人航空機操縦士(国家資格)が新設されました。二等資格と機体認証を組み合わせると、包括申請の審査省略(カテゴリーⅡの一部)が可能になります。テックビルケアでも有資格者による運用を進めており、書類手続きの更なる短縮と、お客様への応答速度向上につなげています。

都市部のビル外壁調査・赤外線調査のご相談はテックビルケアへ

全国包括申請取得済み。Matrice 350 RTK+赤外線カメラで東京23区・大阪市内を含む都市部の実績多数。無料相談・現地調査のお見積りを承ります。

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株式会社テックビルケア

大阪本社・東京支社の2拠点体制で、消防設備点検・ドローン外壁調査・非常用発電機負荷試験・特定建築物定期調査を40年以上にわたり提供。Matrice 350 RTKを含む複数機種で全国包括申請を取得済み。

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テックビルケアにご興味をお持ちいただきありがとうございます。

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